Filed under: 文楽・歌舞伎
八月納涼歌舞伎 野田版「桜の森の満開の下」
2001年に新国立劇場での公演「贋作 桜の森の満開の下」は、観ることができませんでした。 今回は「贋作」が取れて「野田版」に。
例のごとくの、舌を噛みそうな独特な言葉遊びとしての台詞。 この台詞の節回しに慣れてくると、非常に耳に心地よい。 これぞ、野田秀樹です。
舞台を駆け回る役者。 それを「いとおもしろく」そして 「いと簡単そうに」演じる歌舞伎の役者たち。
七之助の夜長姫の妖艶な美しさが冴え渡ります。
以前、勘三郎と野田秀樹がこれを歌舞伎で上演しようと考えていた、とのことですが、どんな配役だったのでしょうか。
もっと、今月、早くに観ていれば、もう一度くらい観にくることができたのに・・残念。
再演を期待です。
Filed under: コンサート
指揮: 大友直人
ソプラノ: 中嶋彰子
メゾ・ソプラノ: 島木弥生
テノール: 高柳 圭
ソプラノ: 北原瑠美
テノール: 加藤太朗 寺田宗永 北嶋信也
バリトン: 大川 博 小林啓倫
バス: 清水那由太 金子 宏
合唱: 東響コーラス
合唱指揮: 安藤常光
コンサートマスター: グレブ・ニキティン
芥川也寸志: 弦楽のための三楽章 「トリプティーク」
団 伊玖磨: 管弦楽幻想曲 「飛天繚乱」
黛 敏朗: 饗宴
千住 明: オペラ「白糸の滝」から
序曲 第三幕
全部、初めて聴く曲です。
芥川也寸志の曲を聴いて、「赤穂浪士」のテーマ音楽を思い出した私。 古いかな。
団伊玖磨の「飛天繚乱」 ん、バリの音楽、なんて思いながら不思議な音階を堪能。
ジャズの要素が散りばめられた黛敏郎の「饗宴」 サックスもカッコよく、ジャズのビッグバンドのような楽しさも。 ん、「ウエストサイド・ストーリー」なんて。 思わず、体が動きます。
後半はオペラ「白糸の滝」
中嶋彰子のソプラノは言葉もわかりやすく見事。
久しぶりの邦人作曲家のコンサート。 もっと聴く機会があったらいいのに、と思います。
Filed under: 建築
日本建築学会関東支部の催し物 <神奈川県立音楽堂> 見学会
以前から一度行きたいと思っていた音楽堂。 丁度、建築学会の見学会があることを知り、大雨の中をテクテクと行ってきました。
この建物はなんと1954年建築。 あの当時にこれだけものを作れた、って凄いです。 客席数は約1000席。 椅子は改装の時全部取り替え、30席ほど少なくなったようですが、椅子の前後の幅は建築当時のままでも狭さは感じません。
ホワイエの木目を表したコンクリート柱、階段、手すりの綺麗なカーブ、全く「木」には見えないホールの白い天井。 どれをとっても”こだわり”だらけです。
裏の練習室には練習用のスタインウエイ。 これは開館当時のピアノです、にまたびっくり。
「あの当時のスタインウエイを買ったのですか?」 と聞いたら「あちこちうまく(?)やったみたいです」に思わず笑ってしまいました。
今は、改修してしまったのですが、当初はシャワー室も完備。 バレエ・オペラを考えてのことなのでしょう。
ミニコンサートもあり、大雨でしたが楽しい1日でした。
木のホールの響きは柔らかく、ここで、シフがコンサートをする理由、よくわかりました。
前川國男、きっと自分がコンサートを聴きたいホールを作ったのではないでしょうか。
Filed under: 展覧会
山種美術館で開催されている
ー超ド級の日本画ー RYUSI
なぜローマ字で書くのか不思議です。 「龍の子」の「龍子」でいいのでは?
川端龍子の作品は、山種美術館所蔵のものは何点かは観ていますが、 今回は「大田区立龍子記念館」所蔵の作品が多く初めての作品を見ることができました。
私にとって、川端龍子は父が俳句をしていたため「ホトトギスの同人」の印象の深い人です。 とはいえ、雑誌「ホトトギス」の表紙も随分描いています。 家にあった古いホトトギスの表紙は あの頃、川端龍子、横山大観、東山魁夷、福田平八郎、奥村土牛、そして昭和40年台後半からは小倉遊亀。 錚々たる画家の絵で、表紙が飾られていたのです。 毎年、新年号から一年間は同じ表紙なので、12月に発送される新年号を、父と、来年は誰の絵、なんて会話をしていたこと、思い出しました。
今回の作品の「日曜美術館」でも紹介された一連の大作「香炉峰」「 爆弾散華」「鳴門」。見事です。 そして、初期の作品、 14歳の時の絵のうまいこと。驚いてしまいます。
一番気に入ったのは「草の実」 大好きな芒と秋の草花、早く秋がきてくれないでしょうか。
そして「銀座にも こんな横丁 (はね)をつく」も可愛らしい短冊でした。
Filed under: 展覧会
どうしようかなぁ、とちょっと悩んでいた『ジャコメッティ展』
友人が6月末に 「のんびりと観てきました」と手紙をくれたので とりあえず行ってこようかしら、と。
何せ、嫌いな国立新美術館・・・最初に行った時にカレーの匂いがトラウマです。
1973年に 池袋の西武百貨店で観た印象がとても強く、あえて今回は行かなくてもいいかなと思っていたのです。 その時に買った何枚ものあの「犬」の絵葉書。 あの頃は百貨店の美術展はすごかったです。 西武百貨店も随分美術展に力を入れていました。よく通いましたもの。
それにしても、1966年にジャコメッティが亡くなって、73年にあの回顧展を開いたってことは、現代美術に相当力を入れていたのでしょうね。
もう、あれから44年経ったのに、あのジャコメッティの「歩く男」は「歩く男」のまま、「犬」は「犬」のまま。 不思議な時の流れを感じます。 作品は変わらないけれど、自分はどんどん年をとっていく。
再びジャコメッティの作品に会えたことは、昔のことを思い出したり、楽しいひと時でした。
帰りは、テクテクと青山墓地、表参道を通り、明治神宮の中を抜けて家まで歩いて帰ってきました。 久しぶりによく歩いた!